• リトグラフ:重くもあり軽くもある

    LITHOGRAPH:

    Lighter but Heavier

  • Lighter but Heavier 重くもあり軽くもある

    2018年1月10日(水)- 28日(日)
    10 : 00 - 19 : 00 月曜休館

    MAP

    伊藤公子 Kimiko Ito 

    伊藤沙織 Saori Ito

    Itazu Litho-Grafik 

    大坂秩加 Chika Osaka

    荻野佐和子 Sawako Oghino

    片山浩 Hiroshi Katayama

    岸雪絵 Yukie Kishi

    衣川泰典  Yasunori Kinukawa

    坂井淳二 Junji Sakai

    酒井裕里  Yuri Sakai

    櫻井想 So Sakurai

    田中栄子 Eiko Tanaka

    東条香澄 Kasumi Tojo

    藤田典子 Noriko Fujita

    マツモトヨーコ Yoko Matsumoto

    松元悠 Haruka Matsumoto

    吉田佳代子 Kayoko Yoshida

    芳野 Yoshino


    KOBE STUDIO Y3

    C.A.P.(特定非営利活動法人 芸術と計画会議)
    〒650-0003 神戸市中央区山本通3-19-8
    神戸市立海外移住と文化の交流センター内
    phone+fax 078-222-1003 / 10:00-19:00 (月曜休み)
    info@cap-kobe.com

    http://www.cap-kobe.com

     

     

    【イベント】


    ① ギャラリートークとオープニングパーティー

     

    1月13日(土) 15:00~
    「リトグラフって、なに?」
    江上ゆか(兵庫県立美術館 学芸員 )
    × LbH(片山浩、衣川泰典、坂井淳二、田中栄子)

    「オープニングパーティー」
    17:00~ *参加費無料

     

     

    ② 公開制作

     

    1月14日、21日(日)
    出品作家が会場にあるプレス機を使用し

    リトグラフの作品制作をします
    *その他、平日などはSNSなどで随時報告

     

    ③ デモンストレーション

     

    1月20日(土) 14:00~16:00
    「みて、きいて、さわって、初めて知る 石版画」
    石版画制作のプロセスを会場で実演します
    *参加費無料

     

    ④ ワークショップ

     

    1月27日(土) 14:00~、15:00~、16:00~
    「誰でも簡単、キッチンリトグラフ」
    アルミホイルやチョコレート、コーラなどを
    使って簡単リトグラフ制作が体験できます
     各回30分程度、定員5~8名
    *参加費500円(予約不要)

  • 「リトグラフ」と「重さと軽さ」

    「重くもあり軽くもある」というタイトルは、リトグラフの版であるアルミ版と石版の重量のことやフラットな画面から連想される軽さ、マチエールに頼らない重厚な画面やリトグラフという技法の特色をイメージしています。この「軽さと重さ」は作品の「良い、悪い」の尺度ではなく作品を見る際のモノサシです。

    『リトグラフって、なに?』

    衣川泰典(Lighter but Heavier)

    版画技法の中で「木版画なら彫刻刀を用いた彫り痕」「銅版画なら繊細で肉厚な描線」というように、それぞれの魅力が伝えやすいけれど、リトグラフは美術の専門的な知識を学んだ方でも製版工程の版面で起こる化学変化が目に見えず、その特殊さがまるで錬金術をみるようで説明が難しい。私見になりますが「リトグラフは版面に直接描いたドローイングを写し取ることができる」ことが魅力だと思っています。それに対し、「ドローイングの転写ならシルクスクリーンでもできるよね」という版画の知識を持った方からの意見もあるでしょう。しかしプレス機で印刷された絵肌の質には明らかな違いがあります。作家のイメージにインクがのり、紙に写し取られることで、新鮮で生々しい感性が写し取られるような感覚があります。写すということよりリトグラフ特有のインクの重なりや色面の美しさ、描画材料のマチエールに注目する作家もいます。この多様性がリトグラフの魅力であり、説明をより複雑にしていると言えます。
    リトグラフが生まれて220年ほど、この間に現代的な大量印刷技術の発展をみることもできます。アートの歴史からみるとゴヤ、ドラクロア、ルドン、ロートレック、ピカソ、マティス、ホックニー、ラウンシェンバーグなど著名なアーティストたちも数多くのリトグラフ作品を生み出してきました。そして、現代でもリトグラフ工房とコラボレーションし、作品を発表するアーティストがいます。各時代を超えてアーティストに愛され続けてきたことを考えると、私たちの知らないリトグラフの魅力がまだまだあると言えるのではないでしょうか。
    先人たちが感動した技術と知恵が、現代を生きる私たちと出会って起こる化学反応とは何でしょうか。「Lighter but Heavier 重くもあり軽くもある」という展覧会では、リトグラフという技術にこだわり制作された作品たちが並びます。作家の数だけ生み出される多様な世界観が魅力となって体感できるでしょう。それが「リトグラフって、なに?」という問いに対する答えのひとつになることを期待しています。

  • Exhibition

    November 6-30 2017 / Takarazuka University MAP

    LITHOGRAPH:Lighter but Heavier

    November 2016 / blanka, Nagoya

  • Stone Letter Project

    リトグラフは1798年のアロイス・ゼネフェルダーの発明から、およそ220年の歴史を遡ることができます。版を彫ったり削ったりせずに化学的処理で製版ができることから、またたく間に当時の印刷分野に多大な影響を与え、世界に拡がりました。そして現在も石版から始まり、金属版、PS版、ウォータレスリトグラフなど、大量印刷の時代とともに変化を続けているメディアとも言えます。
    「石版画」は石灰石を版として脂肪性のインキやクレヨンで描画しアラビアゴムで処理することで、親油性の部分と親水性の部分をつくり、水と油の反作用を利用して印刷をします。石灰石は太古からの長い年月をかけて大地が生み出した鉱石でもあり、それに絵を描くことにで生み出されるリトグラフ作品について考えてみると、私たちの感性と大地とが触れ合うことにより新たなイメージが生み出されるようで、石版の上でイメージとともに特別な時間体験をしている感覚を覚えます。私たちが「石版に触れる」ということは、イメージについてだけでなく、歴史、地学、化学、印刷などさまざまな事柄に想いを巡らす特別な思考時間を体験していると言えるでしょう。また石版の重さとその独特の肌触りを体感することでリトグラフという技術をより楽しみ、魅力を再発見できるのかもしれません。ゼネフェルダー以降、引き継がれてきたこの古典的な印刷術を今体験することで、私たちの「うぶ」な感性を写し取ることができるのではないでしょうか。

    Lighter but Heavier

     

    Lithograph, first invented by Alois Senefelder in 1798, made a huge impact on the printing industry as the brand new technology was conducted by using chemical treatment, not graving or scraping plates. Since then, it has spread around the world rapidly. Lithograph is still evolving: using metal plates or presensitized plates, or even creating a new technique, waterless lithography 220 years later.

    Lithograph is a printing process using repulsion of grease and water on a limestone plate. We put gum arabic over the pictures drawn on the plate with tusche or crayons.

    Limestone is sedimentary rock which has been made over the centuries. Drawing on that stone is as if we could create a sensitive image collaborating with the venerable stone across time and space. We are experiencing a sort of time traveling while we’re drawing on the plate.

    In other words, “feeling the stone” during work means not merely thinking about the picture but also ruminating about the various things such as history, chemistry, geoscience or print.

    To feel the weight or the unique texture of the stone also makes us feel fascinated with lithograph itself again.

    We think we could explore our “innocent” sensibility deep inside our heart and put the image into a piece of paper through the experience of this traditional printing which was handed down to the modern age.

    Lighter but Heavier

    石を磨き、渡す

    Graining a Stone and Pass It Over

    その石に描かれたイメージは、いずれ紙に刷られて

    還ってくる。瓶に入れて海に流す手紙のようなやり取り。

     

    A stone sender will receive a work printed with the stone after a long while.

    It’s like a message in a bottle floated in the ocean, which is destined to reach the destination.

    石の可能性を広げる

    Open up the Possibility of Stone

    石の触感に刺激され、石とのやり取りの中で新たなイメージが生まれることをアーティストと共に期待する。

     

    Making works out of an image inspired by the feel of a stone

  • Stone letter project "A4"

    始まりは、LbHのメンバー(片山浩、衣川泰典、坂井淳二、田中栄子)で2018年1月に開催する神戸のC.A.Pでの展覧会について話していた時のこと、坂井淳二が京都芸大での授業のあとに石版を磨き、学生にそっと渡してその後彼らがどんな作品を作るのか楽しみに待っている、という話をした時でした。石版を磨いたことがある人なら分かるあの簡単ではない作業を、自分のためでなく作らないかもしれない人のために石を磨くという行為。まるで思いの通じない(かもしれない)人へと送るラブレターのよう、あるいは重くやっかいな手紙。実際にも重い手紙…。

    しかしこの話を聞いた時、他の3人もそれぞれにやってみようとすぐに反応をしました。それはちょうどリトグラフの魅力を言葉にすることに難しさを感じ行き詰まっていた時でもあり、リトグラフの始まりである「石版」という存在に焦点を合わせた時に、語りづらいリトグラフの魅力を伝える突破口になるのではないか、という直感からでした。

    こうして生まれた “Stone letter project A4”は方法としてはごくシンプルなもので、「誰かのために石を磨き渡す、そして作品を待つ」ということです。実際は大学や版画工房などで行われることが多いと思いますので、先生から学生へ、先輩から後輩へ、あるいは友達から友達へ磨いた石を送り、作品となって還ってくるのを待つ。なんとものんびりとしたやり取りですが、石を送る側も送られる側も一定の緊張感があると思います。送る側の期待、送られた側の不安…。それは「石版画」という少しやっかいな技法への取り組みへの始まりとなりますが、ぜひ失敗を恐れず、緊張感を楽しんで欲しいと思います。手紙とはいつもどこか思いを伝えきれず、そしてその伝えきれない思いを伝えるためにまた送ってしまうものなのです。「石版画」もそうたやすく始めから思い通りになる技法ではありませんが、その緊張の中に生まれる楽しみに目を向けて、手紙を送り、返事を還してもらいたいと思います。

     

     

    This project started at a meeting: LbH members (Hiroshi Katayama, Yasunori Kinukawa, Junji Sakai and Eiko Tanaka) were discussing the exhibition “C.A.P.” in Kobe (January, 2018). Junji Sakai told an episode at Kyoto City University of Arts that he polished stone plates and sent them to his students. He said he was looking forward to receiving the students’ works. The other members were surprised to hear that because polishing stone plates is cumbersome and usually we do not do such a burdensome work for someone else. Moreover, since it’s not certain that his students make lithograph works with the plates, his behavior seems like writing a love-letter which has no answer.

    Yet, we, each member, decided to do the same thing after learning his story. That is to say, we all just followed our instincts: focusing on “a stone plate”, which is the beginning of lithograph, could make it easier to outreach the charms of lithograph.

    “Stone letter project A4” is simple. All we do is “to polish / graining a stone for someone and wait for the outcome”. It can be done from an instructor to a student, a senior (experienced) to a junior (beginner) or between friends. This seems slow tempo interaction, but it has a sort of tense in both sides. While the sender anticipates the reply, the receiver feels anxious about how to reply to the unexpected offering. “Lithograph” is a cumbersome method, yet we hope receivers enjoy the opportunity, not worry about failure.

    We compare lithograph to letters. Sending a letter is never ending; it is not always perfect to convey our feeling and for this reason, we send ones again and again. Lithograph is really alike. It will never be controlled at will because of the sensitive process. All the more, we can enjoy the pressure in the procedure. We hope a letter will be sent and the answer will also be sent back.

    Stone letter project "Artist edition"

    LbHのメンバー(片山浩、衣川泰典、坂井淳二、田中栄子)の共通点として、リトグラフを一つの軸としながら、他の表現方法も同時に行っているということがあります。絵画での表現を追求する中で見つけたことをリトグラフでも試してみる。あるいは絵の具には出来ないけれどリトグラフでなら作ることが出来る質感を紙に刷って定着させる…。リトグラフで表現している人にはこのように幾つかの表現方法との「往還」を常とする人が多いのではないでしょうか。�
    事実、リトグラフが発明されてから多くの芸術家が本業と呼ばれる表現方法(例えば絵画)と変わらぬ情熱を持ってリトグラフに取り組んでいます。彼らが感じていたリトグラフに対する情熱や関心について知る手がかりはそう多くは残っていませんが、ドラクロワはゲーテに「今まで誰も思いつくことが出来なかった版画を創り出した」と言わしめ、ルドンは「実に不思議なのは、この扱いやすくて表現力に富む芸術を画家たちがもっと深く究めようとしないことだ。それは感受性の最も繊細な刺激にも応えてくれるというのに」という言葉を残しています。現代の私たちがリトグラフという古典的な版画技法で制作をすることと、過去の芸術家が当時最先端であったこの表現方法で制作することはイコールではないと思いますが、彼らが版に向かう際に感じていた面白みは現代も共通して感じることができるはずです。

    さらに面白いことに(制作する我々にとって、ですが…)アルミニウムの金属版で制作する時と石版で制作する時では、明らかに版に向かう心持ちが違うのです。恐らくこれはどの時代の誰もが共通して感じることなのではと想像しています。この少々不思議な感覚を他の表現を軸とする作家と共有するために、石版画による表現を共にする試みが “Stone letter project Artist’s Edition” です。初めて石版に向かう作家との制作の中で、その緊張感と恐らく起こるであろうアクシデントや彼らが感じる面白みを共有しつつ、彼らが石版に触れることで新鮮な何かを発見することを期待します。そしてまた、見えなくなってしまったリトグラフの魅力を再発見するためのプロジェクトでもあります。

     

    LbH members (Hiroshi Katayama, Yasunori Kinukawa, Junji Sakai and Eiko Tanaka) have in common in that we keep trying the other techniques / media as well even if our main area is lithograph. This brings about good effects to our lithograph works. For instance, we try and use unexpected new findings found in painting when we work on lithograph, or compare the techniques and choose the best way to express ourselves. This might be not at all unusual that most lithograph artists are automatically doing.

    In fact, artists have been earnestly working on lithograph as well as pursuing their main area like painting since lithograph was invented. We have several stories showing their passion or interest in lithograph: Delacroix told Goethe that he had created a print anyone had never come up with. Redon insisted that he could not understand why the other artists did not study this manageable and expressive technique more, which could respond the most sensitive stimulus of ours. It is true there is a gap between lithograph as a classic method in the modern age and that as the latest technique in the past. Yet we still believe that we will be able to feel the same as the past artists felt.

    More importantly (to artists), we feel working on lithograph with a stone and doing with a metal plate are different. We guess this happens to any artists timelessly. “Stone letter project Artist edition” is a collaboration project with other artists who have not experienced lithograph. We expect to share the tense atmosphere and some accidents in their first contact with lithograph. We hope the project will make the collaborative artists discover new expressive style and make us rediscover the appeal of lithograph.

     

  • Now in progress

  • about LBH

    "LITHOGRAPH:Lighter but Heavier(リトグラフ:重くもあり軽くもある)"は、展覧会やプロジェクトを企画し運営しています。

    2016年11月にgallery blanka(名古屋)にて開催された"LITHOGRAPH:Lighter but Heavier"展をきっかけに

    片山浩、衣川泰典、坂井淳二、田中栄子によって、リトグラフをより考察し新たな展開をするために結成されました。 

    LITHOGRAPH: Lighter but Heavier (LbH) is the artist group consisted of Hiroshi Katayama, Yasunori Kinukawa, Junji Sakai and Eiko Tanaka, which was started with an exhibition “LITHOGRAPH: Lighter but Heavier” at gallery blanka in Nagoya, November, 2016. LbH organizes exhibitions and other projects to bring a new dimension to lithograph.